オルソケラトロジー
(Orthokeratology)とは

オルソケラトロジーは、特殊なデザインの高酸素透過性コンタクトレンズを使って角膜の形状を矯正し、視力を回復させる角膜矯正療法です。

従来のコンタクトレンズとは異なり、夜間にレンズを装用し、朝起きた時に外すだけで、角膜が変化して視力が回復します。この視力回復は一定期間維持され、日中は裸眼でも視力が良くなります。新しい近視矯正法として、特に注目されています。

オルソケラトロジーは、特に手術が適応できないお子様の近視矯正や進行防止に効果的です。眼鏡やコンタクトレンズを使わなくても、日中は良好な裸眼視力を得られるため、スポーツなどを自由に楽しむことができます。

また、通常の眼鏡やコンタクトレンズでは管理をお子様自身に任せがちですが、オルソケラトロジーでは家庭内で管理ができるため、安全性も高く、さらにコンタクトレンズの装用によるドライアイや眼精疲労からも解放されます。

就寝前

[就寝前]
就寝前にレンズを装着

睡眠中

[睡眠中]
睡眠中に角膜が矯正される

翌日

[翌日]
朝起床時にレンズを外し⇒視力回復

オルソケラトロジーの安全性

オルソケラトロジーは、アメリカで30年以上前から研究され、施術されてきた近視矯正法であり、現在ではアメリカ、ヨーロッパ、アジアを中心に世界各国でその安全性と効果が広く認められています。レーシックなどの外科的手術と異なり、オルソケラトロジーはレンズの装用を中止すれば角膜の形状が元に戻るため、安心して使用できます。

また、日中装用のコンタクトレンズと比較して、夜間に装用するため、ほこりなどが目に入る心配が減り、レンズを紛失するリスクも少なくなります。そのため、快適に使用できる上、リスクは一般のコンタクトレンズと同等、またはそれ以下と言われています。

オルソケラトロジーのメリット

1.眼鏡やコンタクトレンズが
煩わしい方へ

職業上眼鏡の使用が難しい方や、コンタクトレンズの不快感(「時間がたつとゴロゴロする」「夕方になると充血しがち」など)にお悩みの方には、オルソケラトロジーが最適です。夜間にレンズを装用することで、日中は裸眼で快適な視界を得ることができ、眼鏡やコンタクトレンズの煩わしさから解放されます。また、コンタクトレンズの不快感やドライアイ症状も軽減され、より快適な日常生活をサポートします。

2.裸眼でスポーツを楽しみたい方へ

オルソケラトロジーは、野球やサッカーなどのスポーツや、水泳、サーフィン、スキューバダイビングといった水中での活動を行う方にぴったりです。裸眼でスポーツを楽しめるので、眼鏡やコンタクトレンズを気にすることなく、思いっきり動き回ることができます。特に水中でのスポーツでは、通常のコンタクトレンズでは視界がぼやけたり、レンズが外れたりする心配がありますが、オルソケラトロジーならその心配もありません。

3.外科的手術のレーシック等に
抵抗がある方へ

「手術なのでやはりこわい」「術後の感染症などが不安」と感じる方にオススメなのがオルソケラトロジーです。この治療は手術を必要とせず、レンズの装用を中止すれば角膜は元の状態に戻るため、安心してお使いいただけます。手術を避けたい方でも、視力回復を目指せる方法としてとても安心です。

4.近視進行の抑制効果が
期待できます!

オルソケラトロジーを継続することで、近視の進行を抑制する効果があります。特に、仮性近視の方や角膜が柔らかい若年層の方に対して、効果が期待できます。夜間の装用によって、角膜の形状が変化し、視力が安定するため、近視の悪化を防ぐ手助けとなります。

5.取り扱いは簡単!

 

オルソケラトロジーのレンズの取り扱いは、一般的なハードコンタクトレンズと同じですが、夜間に装用するため、日中装用のレンズと比べて目にホコリやゴミが入るリスクが少なく、目への負担も軽減されます。また、レンズが破損したり紛失するリスクも少なく、快適に使用することができます。

オルソケラトロジーのデメリット

1.視力を安定させるまで時間がかかる

オルソケラトロジーの治療開始直後は視力が安定しにくく、日によって見え方が変動することがあります。最初は日中の視力補正効果が短時間で、夕方に近づくにつれて見えづらくなることも考えられます。しかし、治療を続けることで視力は安定しやすくなり、日中の視力補正効果の持続時間も長くなることが多いです。最初のうちに効果が感じられなくても、自分に合わないと判断するのは早すぎることを覚えておきましょう。

2.レンズのケアが必要

オルソケラトロジーの治療では、レンズの適切なケアが非常に重要です。レンズの清潔を保たないと、通常のコンタクトレンズと同様に、角膜炎、角膜上皮障害、角膜感染症、角膜内皮障害、巨大乳頭結膜炎などのリスクが高まります。清潔に保つためには、使用後のレンズの洗浄や保存液の交換を徹底し、指示通りに管理することが大切です。

3.費用が高い

オルソケラトロジーは保険適応外の治療法であるため、治療費用が高くなることがデメリットの一つです。通常のコンタクトレンズや眼鏡よりもコストがかかることがありますが、その分、治療効果や日常生活での利便性を考慮することが重要です。

オルソケラトロジーの
初診から術後検診まで

  • 1初診・カウンセリングのご予約

    オルソケラトロジーの初診(カウンセリング)は、完全予約制となっております。ご予約なしでは受診いただけませんので、予めご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

    ご予約の電話受付時間。(受診の日時は、ご相談ください。)
    午後2:00~5:00 (土曜のみ4:00まで)
    03-5284-7888

  • 2初診(カウンセリング・検査・診察)完全予約制

    オルソケラトロジーを正しくご理解いただくために、まずは眼の構造や矯正方法について簡単にご説明いたします。
    また、オルソケラトロジーに関するご質問にもお答えいたします。お気軽にお尋ねください。

    オルソケラトロジーが可能かどうか調べるための適応検査
    一般的な眼科検査に加え、角膜形状解析検査を実施いたします。現在ハードコンタクトレンズをご使用中の方は、事前に1週間以上のレンズの使用中止をお願いしております。

    診察
    検査後は、担当医師による診察を行います。
    診察時に疾患が確認された場合は、保険診療にて治療を行い、完治後に再度検査を実施いたします。
    この診察時に、オルソケラトロジーの適応があるかどうかを判断いたします。
    適応と判断された場合には、ファーストトライアルレンズを選定します。

    カウンセリング(診察後)
    検査データをもとに、具体的な矯正方法と注意事項について詳しくご説明いたします。
    不明点や不安なことがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご質問ください。すべての疑問を解消できるようお手伝いさせていただきます。

    テスト装用
    オルソケラトロジーをご理解いただき、ご希望される患者様にはトライアルレンズを装用し、1時間ほどお休みいただくことで、レンズの適合具合を確認します。
    テスト装用後、診察を行い、フィッティングの確認と効果を評価した上で、最適な処方レンズを決定します。

  • 3処方

    処方は、初診当日でも後日でも、患者様のご都合に合わせて決定していただいて構いません。
    処方を受けられる場合は、オルソケラトロジーレンズの取り扱い説明と装用練習を行います。
    小学校低学年のお子さんの場合、保護者の方にも取り扱い説明とお子さんへの装用練習をしていただきます。
    取り扱いおよび装用が問題なく行えるようになりましたら、処方は完了となります。

  • 4翌日検診

    初めて装用された翌日には、検診がございます。
    簡単な検査を行い、診察となります。
    フィッティングと効果を確認し、処方変更となる場合もございます。特に問題がなければ、次回は1週間検診となります。

    ※検診は、1週間後・1ヵ月後・3ヵ月後となり、以降3ヵ月ごとの検診となります。
    ※翌日検診と1週間検診は、ご予約が必要です。(1ヵ月検診以降のご予約は、お受けしておりません。)

手術・治療の費用